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ラノベのレーベルの意味、役割また出版社やブランドとの違い?

ラノベの表紙のイメージ ラノベ入門
ラノベの表紙のイメージ

ラノベの表紙に記載されている内容は主に4つです。

まず本のタイトル。
ほとんどの読者は、これを見てどんな内容なのか判断します。
次に小説家の名前。
知名度の高い作家には特定のファンがついており、そのような人は内容に関係なく手に取る可能性があります。
そしてイラストレーターのペンネーム。
ラノベファンの中には、イラストに惹かれて試し読みするケースが少なくありません。

最後にレーベルです。
語尾に「文庫」「ブックス」「ノベルズ」「ノベルス」のいずれかが入っているときは、たいていレーベルを指します

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役割がブランドに似ているレーベルとはそもそも何なのか?

出版社とレーベルの違い
レーベルは、出版社の商品のカテゴリ名

私はしばらくの間、本を作っている会社。ようするに出版社のことをいっているのだと思っていました。
実際、ビジネス本の表紙には「~出版社」「~出版」「~堂」など出版社名を記載するケースが大半です。
高校のとき使っていた教科書を見ても、「これがレーベル?」と意識させるような用語は見当たりません。

レーベルは英語で「label」と書きます。
この言葉はラベルとも読むことができ、付箋、荷札といった意味があります。
ラベルというと、食品の名称や原材料等が明記されている商品ラベルシールが馴染み深いです。
その品物の特徴を記した紙ということなのでしょうが、本では少し使い方が違っているようでラベルではなくレーベルと呼んでいるのかもしれません。

ラノベのレーベルは、レコードレーベルに近い印象です。
レコード会社では、レーベルをブランドとして扱っている傾向があります。
ブランド(brand)といえば銘柄や烙印、品種、商標のことで、主に洋服やバッグ、時計などのファッション用品・雑貨で使われます。
ブランドは社名あるいは創業者の名前の一部です。
商品に記してあるこの名を見るだけで、どこどこが作ったものでどのくらいの価値あるのか、知ることができます。

ラノベにおけるブランドは出版社です。
これだけでも商品を買うときの安心材料にはなりますが、商品の質を見分けられるものではありません。
だいたい、本の価格はほぼどこの出版社でも似たようなものです。格別面白いからといって、他の本の10倍、20倍も価格は跳ね上がったりしません。
そこで、ラノベはブランドではなくレーベルで商品の差別化を図っています

ラノベのレーベルの目的や役割、特徴

レーベルがある本とない本の比較
作品名が初見でも、レーベルでジャンルや価値などがある程度予測できる

本屋さんのラノベコーナーの本を手に取り眺めた時、「○○文庫」や「△△ブックス」といった単語がどこにも見つからなかったとしたら、あなたはどう思いますか?

本にとって重要なのは、タイトルでも作家名でもなく中に書かれている内容です。
ラノベ初心者の場合、特に違和感を抱くことはないでしょう。
では、何のためにレーベルをつけているのかというと、本に“箔をつける”ためです。

テレビドラマのオープニングやエンディングに登場するほど全国的に名の知れた作家であれば、レーベルの有無はそれほど関係ないかもしれません。
でも、これが初の書籍化という新人作家の場合はどうでしょう。
A文庫等の文字が何も入らないままで、はたしてお客様に手に取ってもらえるのでしょうか。
ラノベ初心者はともかく、何年もラノベファンを自負している人には厳しいかもしれません。

ある出版社のレーベルとして本を出すのは簡単なことではありません。
レーベルの文字を入れられるのは、編集者が「これなら売れるかも」と認めた作品だけです。
何万部も発行して1000程度しか売れなかったら、損を被るのは出版社です。
だからこそ、よりいい作品を集めるために特別な賞を設けたりしてするのです。

ラノベのそれぞれのレーベルにはどんな違いが?

ラノベのレーベルの階層図
一つの出版社に複数のレーベル。一つのレーベルに複数の作品。一つの作品に複数のタイトル。

ファッション関係のブランドの場合、一つの会社に一つです。
商品のブランド名が違えば、その商品を作っている会社も違うことになります。

一方、ラノベのレーベルは一つの会社に複数あります。それも二つ三つ程度ではなく、多いところでは100以上存在します。

同社名におけるレーベルの違いは、本の種類、大きさ、ジャンル、読者層などさまざまです。
中には名前が違うだけで、価格もページ数も販売形態もほとんど差がないものもあります。

たとえ同じ会社でも、互いのレーベルはライバル関係にあります。
イメージとしては、第一営業部、第二営業部みたいなものでしょうか。
売り上げのいいレーベルの編集部は社内で大きな顔をすることができますが、売上がなかなか伸びないレーベルは肩身が狭く廃止や左遷、降格人事などに怯え続ける日々を送ることになりそうです。

一つのレーベルには、無数の作品が存在します。
売れてるラノベ作家ともなるとレーベルの掛け持ちが可能ですが、基本的には新作でも同じレーベルで出すことになります。
ラノベは1巻で完結しても不自然ではない作りにはなっていますが、2巻以降の続編も出すことを想定しておかなければなりません。
続編(シリーズ化)の可否は、初刊の売り上げ次第です。増が見込めれば出すでしょうが、見込めなければ1巻で打ち切りとなります。

その売り上げの最低ノルマは、電子書籍と紙書籍を合わせて1000部?以上。
1万部売れてもどんどん終わっていく漫画と比べれば、比較的ゆるい感じがします。

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