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ページ数、文字数、売上などラノベのシリーズ化の特徴

ラノベのシリーズ化 ラノベ入門
売れるラノベは漫画のように何巻も続く

漫画が世の中に出るとき、まず雑誌で連載が始まります。
漫画の雑誌は、連載作品の集合体です。
週刊誌であれば、1作品1話分のページ数は18前後となります。
この話が8~10くらいたまったところで、1冊の書籍(単行本)として販売されます。
雑誌での連載が続く限り、単行本の数も2巻、3巻とどんどん増えていきます。
これがいわゆるシリーズ化(連載化またシリーズ連載化)です。
逆にシリーズ化せずに1話あるいは1冊の本で完結する作品のことを読み切りといいます。
読者からの評価が高いと、読み切り漫画が連載漫画になることもあります。

別の記事でも言いましたが、ラノベ専門の雑誌はほとんどありません。
ラノベの作品が世に出るときは、最初から書籍化(文庫または単行本)されます。

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ラノベの1冊あたりのページ数や文字数は?

ラノベの文字数やページ数
ラノベの1ページ当たりの単価は1.5円くらいと考えると、とてつもなく安く感じる

ラノベを手にしたとき、まず目に飛び込んでくるのがカバー(またはジャケット)。
本来は書籍を包み込んで外部からの汚れやキズを防ぐためのものですが、書籍と同じカラーイラストで装飾することにより宣伝も兼ねています。
そのカバーのさらに上に、細長く巻いているのが帯(袴また腰巻)です。
これも宣伝目的で、読者に振り向いてもらえるようにキャッチコピーなどが綴られています。
一般的には、カバー、帯もひっくるめて1冊の書籍ですから、本の表紙、裏表紙、背表紙はだいたいカバーを指します。

カバーごと表紙をめくると中表紙が見えてきます。
ラノベの場合、ここから数ページはカバーと同じようにカラーイラストのことが多いです。
また、この数ページのどこかに目次が掲載されます。

次がいよいよ肝心の小説です。
まれに800ページ以上のラノベもありますが、多くは300~400ページとなります。
1ページの文字数の平均が600として、ラノベ1冊の文字数は18万~24万文字です。

ラノベの初巻のタイトルに数字がないのはなぜ?

ラノベの初巻のタイトルに数字はつかないケースが多い
すでにWEBで発表されている作品の場合は、むしろ数字がつくことのほうが多い

ある作品の一番初めに世の中に出た本を初巻といいます。
初巻はようするに1巻です。
連載漫画のように、シリーズ化されていることがすでにわかっているのなら数字の“1”をつけても問題ないでしょう。
でも、ラノベの多くは連載小説ではありません。
どのくらい売れるのかまったく予想がつかないので、初巻で終わったとしても読者がある程度納得できるように、読み切り風に作成します。

一般小説では1冊で終わらせるのが困難なとき、「前、後」と2冊、「上、中、下」と3冊に分けたりして完結することがありますが、ラノベではまず見られません。
このような使われ方をするのは、同タイトルの中で「ラノベA編」、「ラノベB編」といったように大きく話を変えるときです。

初巻の次からは、同タイトルでの書籍の違いをわかりやすくするために、タイトルの後ろに2、3、4、5などと必ず数字がつきます。
4から10と、数字がその間の数字を差し置いていきなり飛ぶようなことはありません。
数字はその作品の時系列も表しており、まれに過去編が間に差し込まれることもありますが、基本的には数字が大きくなるほどその物語での現在に近くなります。

ラノベ1冊を読むのにかかる時間

ラノベ1冊の読書時間
漫画よりもラノベのほうが時間をかけてゆっくりと楽しめる

漫画だと早ければ30分。遅くとも1時間以内で読み終わります。
「ラノベも似たようなものだろ」と思ったら大間違いです。

ラノベは文字主体で漫画は絵主体の本です。
絵は読むというよりも見るもので、描かれている内容を理解するのにそれほど時間はかかりません。
絵はたとえ外国人でも見るだけで何となくイメージできますが、文字はちゃんと一字一句読まないと正確に頭の中に入ってきません。
日本語をわからない人が、日本語で書かれたラノベを読もうとしても意味がないのです。

ラノベは漫画と違って、かなり個人差があります。
ある程度日本語に精通している人であれば、1ページ1分の速度でだいたい6時間で終わります。
読むスピードが早い人で4時間。
辞書を引きながら、あるいはメモを取りながらだと10時間くらいかかることもあります。

ラノベと漫画の価格にそれほどの違いはありません。
どちらも500~700円くらいで入手できます。
ですが、楽しめる時間には少なくとも4倍以上もの差があります。

気持ちとしては長く楽しめるのほうが特に感じますが、何かとお忙しい現代社会では短時間でサクッと読めるほうが効率的でいいという見方もあります。

ラノベのシリーズの始まりと終わりのタイミング

ラノベの一般的な巻数
20巻を超えるシリーズ作品は、たいてい漫画化、アニメ化されている

始まりも終わりも、売上と小説家また編集者のやる気次第です
ベテランラノベ作家であれば、たとえ新刊でも最初から1万部以上売れるのも不可能ではありません。
しかし、新人ラノベ作家では1000部程度でも簡単ではありません。

電子書籍がまだ少ない2010年以前であれば、シリーズ化のハードルは5000部くらいだったかもしれません。
現代では紙書籍で販売日から1か月以内で3000部といったところでしょうか。
漫画は1万部売れてても、突然打ち切りなったりすることがあります。
それと比べると、ラノベのシリーズ化の敷居はかなり低いです。

1冊600円で売ったとして、ラノベ作家の手元に入るお金は60円(印税10%の場合)です。
もし出版社との契約が発行部数に対する印税だとしたら、3000部刷ったときの収入は18万円になります。

1か月1冊のペースの速度で書けるのなら、これでもどうにか食っていけそうですが、1冊書くのに3か月も4か月もかかるとなると、とてもではないが人並みの生活を維持できません。

ラノベのシリーズ化には、ラノベ作家の高いモチベーション維持が不可欠となります。

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