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ラノベのジャンルの基本、種類、意味、人気、傾向とは?

ラノベの基本的なプロット(構成) ラノベ入門

少年少女向けの小説や漫画を書く(描く)とき、まずタイトル、人物、舞台、用語などストーリー上必要となるルールを決めます。
これがプロットです。
ラノベの基本的なプロットは大きく、『世界観』『テーマ』『感情』『設定』『時期』『キャラ』の6つに分かれています。
この中で、もっとも重要なのが『テーマ』です。

テーマとは、物語の核、中心、主題。作者が読者に最も言いたい、見せたいと思っているところ。
ようするに、おすすめ、メリット、ハイライト、チャームポイントなど作品の見どころを指します。
なので、「ラノベのどのジャンルが好きなの?」と聞かれて「異世界!」と答えるのでは、何が面白いのか質問者としてはピンときません。
だれにでも一番の魅力が伝わるように、「異世界バトル」「異世界ラブコメ」「異世界スローライフ」などとテーマを付け加えるのがジャンルの答え方として正解となります。

作品を特定の基準で分類するときに使われる“ジャンル”という用語は、ラノベにおいて“テーマ”と考えて問題ありません。
そんなラノベのジャンルの基本は、バトル(バトルアクション)、ラブコメ(ラブコメディ)、その他(グルメ、ミステリー、スポーツなど)の三つです。

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ラノベで多いジャンル、少ないジャンルとは?

ラノベのジャンルの種類

バトルものが一番多く、次にラブコメ
この二つでラノベとして発売している作品のだいたい6割くらい。
残りの4割で青春、恋愛(シリアス)、冒険、グルメ、ミステリー、日常、医療、アイドルなどが分け合っている印象があります。

ファンタジーというのは、架空、想像、空想の世界や設定のことを指します。
そのため、たとえパソコンやスマホがある現代世界でも、魔法が使えたら、それはファンタジー小説となります。
ラノベは、ラブコメのようなストーリーがシンプルなジャンルでも、作者自らが考案した設定を取り入れるケースが少なくないので、ラノベ=ファンタジー小説といっても過言ではないのかもしれません。

大衆小説の定番といえば、推理(ミステリー)小説ですが、ラノベにはそれほど多くありません。それもそのはず、本格的なミステリーが書けたら、ラノベ作家にならずに、ミステリー作家を目指すことでしょう。あと、ドラマ化しやすい会社、銀行、裁判、経済など現代社会性の強い題材も少ないです。

ラノベはあくまで少年少女向けの小説ですから、バトルが多くなるのは当たり前といえば当たり前。『北斗の拳』『ドラゴンボール』『ワンピース』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』など、知名度が極めて高い少年漫画原作の作品はいずれもバトルを一番の見どころにしています。

ここ10年のラノベのジャンルの人気傾向

2011、2016、2021年発売のラノベ売上上位10作品を見ると、ざっとこんな感じです。

ラノベ年代別売上上位10作品のジャンル

やはり安定してバトルが強い
バトルの特徴は、人気が続く限りいくらでも作品寿命を引き延ばせることです。ラブコメと違い、ネタ作りにそれほど苦労しない。
ボスキャラを次々に生み出しさえすれば、いくらでも話を広げられる。

ラブコメは2011年頃と比較すると、人気に陰りが見え始めていますが、新しく生み出される作品数はバトルに決して引けを取らないくらい多いです。
これは、小難しい設定を一から考えなければならないバトルよりも、構成が単純明快なラブコメのほうが執筆しやすいということなのでしょう。

それともう一つ抑えておきたいのが、WEB発(主になろう)の作品が非常に多くなっている点です。
ラノベでいうところの『WEB発』とは、どこかしらのWebサイト(ウェブサイト)で無料公開された後、書籍化された作品を指します。
劣等生、オバロ、このすば、リゼロ、転スラ、薬屋、ロシデレは『小説家になろう』からの出世作。
なろう系の最大の特徴は、ラノベのみならず漫画でも『異世界』というジャンルを確立させることに成功したこと。
ここ数年、ラノベでは『異世界』という単語をタイトルに入れるケースがどんどん増えています。

ラノベのバトルの基本、種類、特徴

ラノベのバトルは異能メイン

ここまでバトル、バトルとざっくり語ってきましたが、ラノベのバトルは基本、異能バトルアクションです。

一般的に、他の人にはない優れた才能のことを“異能”といいますが、ラノベでは魔法や魔術、超能力など現実世界では絶対にありえない架空の能力のことを指します。
たとえば、手のひらから炎を出したり、髪の毛から電撃を放ったり、鳥でもないのに空を自由に飛んだり。
こんな力があったらという願望。夢の世界。ゲーム世界。まさしくファンタジー。
もちろん、剣や銃など現実世界にある武器も出てきますが、どちらかといえばこっちはついでみたい印象です。

バトルはそのまんま戦いのことです。戦いには、肉弾戦と頭脳戦の2種類ありますが、ほとんどの作品は肉弾戦を採用しています。まあ、頭脳戦では異能の設定を入れにくいので、ラノベとしては題材にしにくいのかもしれません。
肉弾戦には、武器や異能の他に、剣道、柔道、空手などの格闘技も含まれますが、あまり使われていません。格闘技はバトルというより、サッカーや野球、水泳などと同じスポーツに分類されます。
肉弾戦、頭脳戦どちらにしても1対1もしくは1対数人のバトルが主流です。何千、何万という軍隊を取り扱う戦争もの(戦記)はわずかとなります。

アクション映画やアクション俳優、アクションシーンという言葉から、アクション=バトル(戦い)というイメージがありますが、アクション(action)の本当の意味は、行動や活動、動作です。
バトルはあくまでアクションの一行為にすぎないので、アクションのみで「この作品は戦闘だ、戦いだ」と決めつけるのは正確ではありません。

そこで、主人公が何らかの目的(世界や女の子を救うなど)を達成する過程でバトルを見せ場とした作品のジャンルのことを、バトルにアクションを付け加えて、バトルアクションと呼んでいます
使う能力に多少の違いはあれ、禁書やSAO、劣等生はいずれもバトルアクションです。
神の右席編、アインクラッド編、来訪者編などのように、各ストーリーに倒すべきボスキャラがいれば、たいていこのようなジャンルに該当します。
アクションには他に、SFアクションやサスペンスアクションなどがありますが、ラノベではバトルアクションが主流になります。

ラノベのジャンルはミックスしている

ラノベのバトルにはラブコメもある

「バトルだけー」というと、いかにも殴り合いのボクシング漫画やプロレス漫画みたいで、かたっ苦しいですよね。
序章~終章までひたすらバトルを繰り返すだけのラノベはまずありません。

特にバトルアクションでは、必ずと言っていいほど主人公である少年のそばに、2人の以上の美少女がついています。そこで、よく描写されるのがラブコメです。
バトルだからといって、男ばかり、戦いばかりでは、どんなバトル好きの人でも読んでいて気疲れしてしまいます。
バトルアクションにとってのラブコメは、仕事の合間のちょっとした休憩、癒しのようなもので、本家のラブコメほど詳細でも丁寧でも長くもありません。
ただ、中にはバトルとラブコメの比率が半々くらいのラノベもあります。

逆に、ラブコメメインの作品で、命を懸けるようなバトルはありません。読者に笑いながら読んでもらうことが大事なので、人の生死にかかわるシリアスなバトルシーンはNGとなります。その代わり、食事や風呂など何気ない日常シーンが多くなっています。

ラノベは少年少女(高校生、中学生)のどちらかを主人公にしているのが大半です。異世界転生では、転生前がおじさんやおじいさんだとしても、転生後は美少年や美少女に生まれ変わったりします。
少年少女といえば学生生活です。
その関係で、学園を物語の舞台に設定している作品が数多くあります。
学園ラブコメでは、授業のほかに部活、学園祭、修学旅行など学園ライフを中心に物語は作られています。現役の中学生や高校生にとっては、共感を覚える点が多々あることでしょう。
ラブコメでは剣や魔法を必要としません。別にあってもいいのですが、それは読者の興味を抱かせるほど重要ではないので、ラブコメの世界観はほぼ現代となっています。

ラノベでよく使われるジャンルの意味

バトル(battle):戦い、戦闘、交戦、闘争
アクション(action):歩く、走る、話すなど行動、動作全般
ラブコメ:ラブコメディあるいはロマンティック・コメディ(英: romantic comedy)また恋愛喜劇
恋愛:通常のシリアスな恋や愛
百合:少女同士の恋愛
ハーレム:1人の少年の周りに複数の少女。もしくは1人の少女の周りに複数の少年
異世界:現代世界から別世界(主にファンタジー世界やゲーム世界)に転生や転移した作品に対して使用。類義語に異界(いかい)があるが、あまり使われない
転生:現代世界で死んだあと、前世の記憶を残したまま異世界の別の体、別の生き物として生まれ変わること
転移:現代世界から生きたまま異世界に飛ばされること
ファンタジー(fantasy):幻想、空想、創造、架空の世界や設定。フィクションともいえる
ハイ・ファンタジー:異世界が舞台のファンタジー
ロー・ファンタジー:現代世界が舞台のファンタジー
ダークファンタジー:残酷、悲劇、過激なシーンが多いファンタジー
シリアス(serious):真面目、本格的
コメディ(comedy):喜劇、笑い、ギャグ、ふざけている
サスペンス(suspense):ハラハラドキドキ、緊張、不安
ミステリー(mystery):推理、謎解き、神秘、不可思議
バイオレンス(violence):暴力、破壊
ホラー (horror):ゾンビ、幽霊、怪物が主体の恐怖
SF:サイエンス・フィクション(Science Fiction)。科学的な空想や創造、創作物。フィクションの一つで、ファンタジーよりも現実的
異能:現代世界では使えない架空、創造の能力。主に魔法、魔術、超能力の三つを指す
魔法:ドラクエやFFなどのRPGでよく使われる攻撃、防御、回復、蘇生などの異能
魔術:神秘的不可思議な呪術や妖術、奇術。魔法が近代的異能なら、魔術は古典的異能
超能力:予知、透視、念力、読心、テレパシーなどの特殊能力。作品によっては魔法と似たような現象を起こせる
ロボット:ガンダムのように架空の機械やメカでの戦闘
学園:高校、中学のどちらか
青春:友情、仲間、部活、授業、お祭り、旅行など若いときに経験する出来事全般
戦記:歴史小説の中でも特に実際の戦争をモチーフとした創作物
ビブリア:本、書物、図書
宮廷:宮殿、神殿、王室などアジア系の偉い人(君主ほか)たちが住んでいる建物、敷地
中華:中国の歴史を基にした創作物
ヒーロー(hero):主人公、英雄。その作品で活躍している回数が極めて多い人
勇者:剣や魔法を使う正義の味方、救世主
魔王:本来はバトルアクションのラスボスだが、主人公になることも多々ある
日常:家事、育児、勉強など学生生活全般
スローライフ:自然豊かなファンタジー世界での暮らし(農業、医療、グルメなど)
グルメ:料理、食事、食堂
なろう系:株式会社ヒナプロジェクトの小説投稿サイト『小説家になろう』出身作品の略称。異世界系のことを、なろう系と呼ぶこともある
悪役令嬢:ヒール(heel)役。プロレスで登場する悪役レスラーみたいなもので、そのお嬢様版を主人公とした少女向けの物語
乙女ゲーム:少女を主人公とした恋愛ゲーム
モブ:モブキャラクターの略称。雑魚、群衆、その他大勢、野次馬
俺tueee:初っ端から最強の主人公
チート:神のような絶大、最強、特別な能力

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